プログラミングは、コンピュータに対して、ああしてほしい、こうしてほしい、というお願いを、文章にすることです。しかし、コンピュータは、普段私たちが使う言葉を理解することができません。
そこで、私たちはプログラミング言語という、コンピュータにも理解できる言葉(正確には、コンピュータにも理解できる言葉に変換できる言葉)を覚える必要があります。
Pythonはプログラミング言語のひとつです。
では、Pythonでプログラミングをはじめるには、どのようにすればいいのでしょうか。
Pythonでプログラミングをするには、どんな方法があるの?
Pythonでプログラミングをしようと思ったら、さまざまな方法がありますが、大きく分けるとこの3つです。
自分のパソコンにPythonをインストールして行なう方法
まずひとつ目の方法として、自分のパソコンにPythonをインストールすれば、プログラミングをはじめることができます。
この方法のメリットとして、ツールの使い方を覚える必要がないので、プログラミングの学習のみに集中できます。
しかし、Pythonのインストール、そして作ったPythonプログラムを実行するときなど、初心者の方にとっては、ちょっとむずかしいと感じるかもしれません。
自分のパソコンに、統合開発環境(IDE)をインストールして行なう方法
ふたつ目の方法は、Pythonを使うための統合開発環境(IDE)をインストールして、プログラミングをはじめるものです。
統合開発環境というのは、プログラミングをするためのソフトウェアを、ひとつにまとめたものです。
有名なPython向けの統合開発環境として、PyCharm(https://www.jetbrains.com/ja-jp/pycharm/)があります。
しかし、表示が英語なので日本語化の作業をしなくてはならなかったり、ツールの使い方を覚えなくてはならなかったりと、プログラミング以外のところでも、少しだけ苦労があったりします。
ブラウザ上で行なう方法(Google Colaboratoryなど)
3つ目の方法として、ブラウザ上でPythonプログラミングをすることもできます。
それには、Google Colaboratory(https://colab.research.google.com/?hl=ja)というサービスが有名です。
Googleアカウントが必要になりますが、手軽にはじめることができ、とても便利です。
ただ、ツールの使い方を覚えなくてはいけなかったり、画像ファイルを使いたいと思ったらアップロードが必要だったりと、こちらもプログラミング以外のところで、すこしだけ手間が必要だったりします。
作ったデータが、自分のパソコン上にあるわけではなく、どこか遠くのパソコンに保存されている、という点は、メリットともデメリットとも言えるかもしれません。
Pythonプログラミングをはじめるのにベストな方法は?
Pythonプログラミングをするには、さまざまな方法があります。
しかしそれでは、「じゃあ、どの方法がいいの?」と、みなさん思われると思います。
私としては、「自分のパソコンにPythonをインストールして行なう方法」をおすすめしたいです。
たしかに、統合開発環境(IDE)や、プログラミングができるWebサービスは便利です。
しかし、便利すぎて、プログラミングの学習には向かないと思うのです。
ところでみなさん、トランプゲームの大富豪は好きですか?
とつぜん関係ない話になったからって、別のサイトへ行かないで、もうちょっとだけ聞いてください。
こういったテーブルゲームをスマホで遊ぶとき、大富豪であれば、自動的にカードを配ってくれたり、出せるカードをコンピュータが教えてくれたり、とっても便利ですよね。
では、あなたはこれまで一度も、本物のトランプで遊んだことがないとします。
でも、友達とトランプで遊びたいと思い、スマホゲームで大富豪のルールを覚えて、コンピュータにも勝てるようになったとします。
そして、いざ友達数人で大富豪をすることになりました。
するとその友達に、「じゃあ配って」とトランプを渡されたとします。
するとあなたは、これまでずっとスマホでトランプゲームをしていたので、生まれてはじめてトランプに触れることになります。
そしてまず、こう思うでしょう。
……トランプってどうやって配るんだろう?
そしてゲームがはじまっても、おそらく戸惑うと思います。だって、これまでは出せるカードをコンピュータが教えてくれていたのに、誰も教えてくれません。
8流しって、自分で流してもいいんでしょうか。それとも、ほかの誰かが流してくれるんでしょうか。これまでアプリが自動的にやってくれていたので、よく分かりません。
しかもそこに、スマホゲームにはなかったはずのローカルルールが混ざれば、もう訳が分かりません。
それ以前に、手札って、机の上に表向きに置くものじゃなかったんだ……
統合開発環境やWebサービスは、こういったテーブルゲームのスマホアプリに似ています。
とっても便利なのですが、便利すぎて、それに頼りすぎてしまうんです。
そして、プログラミングを理解したつもりでも、本質的な部分が分かっていなかった、ということにもなってしまうかもしれません。
また、統合開発環境(IDE)は、便利すぎて分かりにくい、ということもあります。
さて、これは、私の経験の話になります。
経験談なので、少しだけ専門的な話になってしまうのですが、分かりにくいところは、「あぁ、そういうのがあるんだなー」ぐらいの気持ちで読んでください。
私がまだプログラミングを覚えたばかりのころ、統合開発環境(IDE)に、ちょっとだけ苦い経験があります。
統合開発環境は、プログラミングをするためのソフトウェアをひとつにまとめたもので、さきほど紹介した「PyCharm」も、統合開発環境のひとつです。
そのときの私は、「Eclipse」という統合開発環境を使って、「Java」というプログラミング言語を学ぼうとしていました。
そして、実際にプログラミングをはじめてみようと思ったのですが、私の場合、そこに出てくる言葉の意味が分かりませんでした。
ワークスペース? ……プロジェクト? ……という状態です。
統合開発環境って、そういうなんだかよく分からない言葉が出てくるんです。
しかもこれらは、まだプログラミングをはじめてもいないのに出てくる言葉なんです。
さて、よく分からないまま進めて、ようやくプログラミングをはじめられる段階になりました。
しかし作られたファイルには、もうすでになにか書かれているんです。
これは、プログラミングをする上で、まずこれを入力するだろう、というものを、そのツールが自動的に入力してくれているんですが、まだプログラミング初心者だった私は、それでよけいに分からなくなってしまったんです。
そんなわけで、たとえインストールが大変だったとしても、Pythonプログラミングは、「自分のパソコンにPythonをインストールして行なう方法」ではじめるのがいいのではないか、と私は思っています。