IPアドレス(Internet Protocol address)は、それぞれコンピュータに付けられた住所のこと、とよく言われています。
ただ、住所と言われても、いまいちピンとこないかもしれません。
そこで今回は、IPアドレスとは一体なんなのかを学んでいきましょう。
IPアドレスとは?
IPアドレスは、コンピュータに割り当てられた住所のこと、とよく言われています。
しかし、ここでは住所ではない例えで紹介してみたいと思います。
IPアドレスは、コンピュータに割り当てられた番号のことです。
学校に行くと、出席番号ってありますよね。IPアドレスはその出席番号のようなものです。
たとえば、朝の会で先生が、生徒の出席を確認します。
1番、りこちゃん!
はーい!
2番、アルくん!
はいはい!
しかし、出席番号だけでは、どのクラスなのか分かりません。さらに言えば、何年生なのかも分かりません。
IPアドレスには、もうちょっと詳しい情報が入っています。
りこちゃんやアルくんの情報をもっと詳しくすると、りこちゃんは「守譜雲府第四小学校3年5組1番」、アルくんは「守譜雲府第四小学校3年5組2番」というふうになります。
これでは長いので、「4.3.5.1」「4.3.5.2」というふうにします。これがりこちゃんとアルくんのIPアドレスです。
つまり、守譜雲府第四小学校では、「4.3.5.1」や「4.3.5.2」という番号だけで、りこちゃんやアルくんのことだな、というのが分かります。
この番号は、どこの、だれ、というふうに、2つに分けることができます。
「4.3.5」の部分は、どの学校のどのクラスなのか、を表し、「1」の部分で、だれ、を表します。
しかしここで、ひとつ問題が発生してしまいました。
守譜雲府だけでなく、又田比市にも第四小学校があったのです。
そして、又田比第四小学校にも3年5組がありました。
これでは「4.3.5.1」や「4.3.5.2」という番号が、守譜雲府第四小学校のものなのか、又田比第四小学校のものなのか分かりません。
そこで、頭のいい人は考えました。学校にもIPアドレスをつければいいんじゃない? と。
こうすることで、りこちゃんやアルくんのIPアドレスが、ほかの学校の子とかぶっても、判断できるようになりました。
そして、この「xxx.xxx.111.222」や「xxx.xxx.100.200」という番号をグローバルIPアドレス、「4.3.5.1」や「4.3.5.2」というのをローカルIPアドレス(プライベートIPアドレス)といいます。
そうです。IPアドレスは、実はふたつあるんです。
IPアドレスの仕組み
さて、ここまでIPアドレスがなんなのか、なんとなく理解していただけたかな、と思います。
では、もっと具体的な話をしていきましょう。
コンピュータの場合も、さきほどの例と同じです。
インターネットに繋がっているコンピュータは、IPアドレスが割り振られています。
自動的に割り振られる場合もありますし、自分で決めることもできます。おそらく多くの方は、自動的に割り振られたものを使っていると思います。
さきほど、IPアドレスはふたつある、と紹介しました。
グローバルIPアドレスは、ルータのIPアドレス(である場合が多い)です。
ローカルIPアドレスは、それぞれのパソコンやスマートフォンなどに、ルータ(DHCPサーバ機能)によって割り振られます。(自分で割り振ることもできます)
さきほどの例で、守譜雲府第四小学校では、生徒はそれぞれの出席番号をもらえます。学年やクラスを合わせれば、その番号が誰なのかが分かります。
同じように、ルータはそれぞれのコンピュータ(パソコンやスマホなど)に、ローカルIPアドレスを割り振ります。そうすることで、その番号がどのコンピュータなのかが分かります。
さらに、IPアドレスは、2つの部分に分けることができます。
ネットワーク部とホスト部です。
ネットワーク部はどのネットワークなのかを表し、ホスト部はどのコンピュータなのかを表します。
(※今回は、ネットワーク部とホスト部をこのように分けましたが、サブネットマスクというものを使って、好きなところで分けることもできます)
このネットワーク部が、どの学校で、何年生で、何組かです。
そしてホスト部が、出席番号です。
しかし……
さきほど「4.3.5.1」というりこちゃんのIPアドレスを例に出しましたが、第四小学校なんていろんなところにあるし、4という数字が第四小学校のことを表していて、そのほかの番号が学年とクラスと出席番号なんて、学校の外からは分かりません。そして、実際に又田比第四小学校とかぶってしまいました。
だってこれは、守譜雲府第四小学校が、学校の中だけで使おうと思って作ったIPアドレスなのです。
そうです。192.168.100.11というIPアドレス(ローカルIPアドレス)も、同じIPアドレスを使っているコンピュータがあるので、これがどのコンピュータかなんて、ルータの向こうからは分からないのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
さきほどは、それぞれの学校にそれぞれのIPアドレスを割り当てることで解決できました。
つまり、もうひとつIPアドレスがあれば、IPアドレスがかぶった場合でもどのコンピュータかが分かります。
そうです。ルータにもIPアドレスを割り当てられている(ルータを使った接続の場合です)のです。
これがグローバルIPアドレスです。
グローバルIPアドレスは、世界にひとつしかありません。対して、ローカルIPアドレスは、ほかのパソコンとかぶることもありますが、同じネットワークのなかではひとつしかありません。
このふたつのIPアドレスを使って、それぞれのコンピュータを判別できるのです。
まとめ
IPアドレスは、それぞれコンピュータに付けられた住所のこと、とよく言われます。
ただ、住所というよりも、出席番号として考えたほうが、イメージがつかみやすいのではないか、と思い、今回はその方向で解説してみました。
IPアドレスは、インターネットに繋がったそれぞれのコンピュータに、出席番号のように、割り振られています。
グローバルIPアドレスは、多くの場合ルータに割り当てられており、世界にひとつです。
対して、ローカルIPアドレスは、同じネットワークのなかにひとつです。
このふたつのIPアドレスで、それぞれのコンピュータを判別することができます。