Vimは、オランダのプログラマー、ブラム・ムールナーさんによって開発された、シンプルで高機能なテキストエディタです。
viというテキストエディタから派生したものですが、viよりも多くの機能があり、今ではEmacsと並んで、プログラマーの方などの間でとても人気です。
Vimの特徴
Vimの一番の特徴は、やはりキーボードのみでの操作を前提としているところでしょう。
もちろん、設定を変えればマウスを使うこともできるのですが、手をマウスに持っていくよりも、カーソルの移動から文字の選択、コピー&ペースト、ファイルを閉じたり開いたりなど、すべてキーボードで行なってしまったほうが、効率が良かったりもします。
さらに、キーボードのみ、といっても、カーソルを移動させるときに、方向キーは使いません。
いや、方向キーも使えるのですが、h、j、k、lを使ってカーソルを移動させることを、Vimでは強くお勧めしているのです。
これは、右手を方向キーへと移動させることなく、文字を入力する位置のままにカーソルを移動することができるのです。
そんなことしたら、その文字が入力されちゃうじゃないか、と思われるかもしれませんが、Vimにはモードという概念があり、このモードを切り替えることで、キーボードのみでのいろいろな操作ができるようになるのです。
このように、一般的なテキストエディタと比べて、Vimは特別な使い方をします。
そのため、Vimが使えるようになるには慣れが必要になります。しかし、この使い方に慣れることで、プログラミングなどの作業効率アップに繋がります。
Vimのカスタマイズについて
Vimの初期状態は、文字に色もつかず、行末でカーソルを右に移動しても次の行へ進んでもくれなかったり、文字を消そうとしてもうまく消えてくれなかったりと、とても使い心地がいいとはいえないです。
あまりにも使い方が特別すぎて、はじめて使う人は、なにがなんだか分からない、といった印象を持つと思います。
しかしそれは、まだVimの設定ができていないために、便利に使うことができていないだけなのかもしれません。
Vimは、デザインや操作方法などを設定ファイルに書いていくことで、どんどん使いやすく変わっていくのです。
逆にこれは、自分自身で使いやすいようにカスタマイズしていける、ということでもあります。
Vimでは、基本的に.vimrcというファイルに設定を書いていきます。
ここに書いた設定は、Vimを起動したときに読み込まれて反映されます。
Vimが好きな人は、自分専用の設定ファイルを持っていて、Vimを使いながら、自分が使いやすいように設定ファイルを作っていくのです。
また、多くの方がとても便利なプラグインをGitHubなどで公開してくれています。
これらを自分のVimに組み込むことでも、カスタマイズすることができます。
Vimを使うメリット、デメリット
まず、Vimを使うメリットです。
- コマンドプロンプトやターミナル上で動かすことができる
- 起動が速い
- キーボードのみで素早い操作ができ、プログラミングなどの作業効率があがる
- 自分だけの設定ファイルを作れるので、自分好みのテキストエディタに仕上げていくことができる
しかし、やはりデメリットもあります。
- 操作方法が特別なので、覚えるまでに時間がかかる
- 設定ファイルを作っていないと(デフォルトのままだと)、とても使いにくい
- Vimに慣れてきたころには、自分専用の設定ファイルができているので、気持ち的にVimから離れられなくなる
- 設定ファイルの記述にミスがあると、思い通りに動かなかったりする
- カスタマイズに時間がかかり、しかもそれが意外と楽しいので、本来の目的のプログラミングができなくなったりもする
まとめ
一般的なテキストエディタとは使い方がまったく違い、はじめて使う人は、必ず戸惑うことでしょう。
しかし、Vimを使いこなすことができれば、作業効率アップに繋がります。
また、好きなようにカスタマイズしていくことができるので、自分だけのVimを作り上げていくことが、Vimを使う楽しみのひとつだったりします。