MacなどのApple製品では、ファイルシステムにAPFSが多く使われています。
さて、このAPFSですが、他のフォーマット形式とは少し変わった特徴があります。なんと、パーティションを作成すると、コンテナというものが作られるのです。
コンテナっていったいなんなのでしょうか。パーティションのようなものなのでしょうか。
今回は、APFSの特徴に迫ってみました。
APFSとは
APFSは、Apple File Systemの略で、Apple独自のファイルシステムです。
macOS High Sierra以降で利用が可能になりました。
コンテナによってボリュームの空き容量を共有できたり、高度な暗号化技術を使えたり、といった特徴があります。
また、Macのみならず、普段は意識しませんが、iOSやiPadOS、watchOSなどでも、APFSが使われていたりするようです。
パーティションとボリュームの意味や違いについて
まず、パーティションとボリュームの意味や違いを確認しておきましょう。
パーティションとは
パーティションは、HDDやSSDの記憶領域を区切ったものをいいます。
区切ることで、一台のHDDやSSDが複数あるかのように見せることができます。
たとえば、一台のパソコンにWindowsとLinuxを入れたい場合などに、パソコンに内蔵されたHDDにふたつのパーティションを作ったりします。
こうすることで、一台のHDDが複数あるように使うことができるのです。
ボリュームとは
ボリュームはパーティションの領域です。
パーティションを切っていない場合、HDDやSSDの記憶領域全体がボリュームになります。パーティションを作成している場合は、そのパーティションごとの領域がボリュームです。
パーティションとよく似た意味で使われますが、パーティションは区切られた領域のことで、ボリュームは各パーティションに作られたファイルシステム領域のことです。
APFSコンテナとは
さて、パーティションとボリュームの違いについては解説いたしました。
しかしAPFSには、他のフォーマット方法にはない、不思議な言葉があります。
それは「コンテナ」です。
APFSでフォーマットすると、コンテナの中にボリュームが作られていることが分かります。
では、APFSでフォーマットしたSSDで、パーティションを作成してみましょう。
すると下のように、コンテナがもうひとつ作られます。
以上のことから、コンテナはパーティションのようなものだ、ということが分かります。
ところが、コンテナには複数のボリュームを追加することができるのです。
従来のHFS+(Mac OS 拡張)では、パーティションを作成するとボリュームが作成されていました。さらにボリュームを縮小するとパーティションが作成されていました。
つまり、パーティションとボリュームは、同じ意味で使っても差し支えないほどのものだったと思います。
ところがAPFSでは、コンテナという概念により、パーティションとボリュームの違いが明確になりました。
なんと、APFSコンテナに追加したふたつのボリュームを比べてみると、どちらもSSDと同じ容量が割り当てられているのです。
さらに、片方のボリュームに、なにかデータを保存してみましょう。
すると下のように、どういうわけは両方のボリュームの空き容量が、同じだけ減っています。
コンテナという言葉は、ITの分野では「入れ物」のような仕組みをいうことが多いです。
つまりAPFSコンテナは、補助記憶装置に置かれた入れ物で、そのなかに様々なデータを分別して入れておけるものです。それはパーティションのような、APFS特有の仕組みです。
パーティションに作られたボリュームは、そのパーティションの容量になります。
しかし、コンテナに作られたボリュームは、そのコンテナの中のボリューム同士で空き容量が共有されます。
これがAPFSの大きな特徴のひとつです。
APFSでの、コンテナ、ボリューム、パーティションの違いについて
さて、APFSにはコンテナという仕組みがあります。では、APFSでいうボリュームやパーティションとはいったいなんなのでしょうか。
コンテナとパーティションはなんだかよく似ています。しかし、ボリュームとパーティションもよく似た意味で使われます。
だんだんとこんがらがってきますね。
APFSでは、パーティションの認識を、ちょっと変える必要があります。
上述しましたが、APFSでは、ひとつのパーティションに複数のボリュームを作ることができます。
さらに、そのパーティションの中のボリューム同士は、空き容量が共有されます。
つまりこの、パワーアップしたパーティションが、コンテナです。
- パーティション:記憶領域を区切ったもの
- コンテナ:APFSで使われる、パワーアップしたパーティションのこと
- ボリューム:各パーティション(コンテナ)に作られた、ファイルシステム領域。ひとつのコンテナに複数のボリュームを作成することも可能
従来のHFS+では、パーティションとボリュームは、同じ意味で使っても差し支えありませんでした。しかし、APFSからのコンテナという仕組みで、ボリューム≒パーティション、という認識は、すこし違うものになった気がします。
まとめ
今回は、APFSコンテナとはどいうったものなのかを検証しました。
APFS以前のファイルシステムでは、ボリュームとパーティションは、ほぼ同じ意味で使うことができましたが、APFSからは、同じ意味で使ってしまうとうまく伝わらないかもしれません。
APFSの仕組みをしっかりと理解して、SSDを効率よく使えるといいですね。