Snipe at Monsters

Snipe at Monsters

Story

ベレッタM9
ベレッタM9

奴らに死を。この銃に生を。

その日、地球は折り返し地点と言われていた。
医学は比べ物にならない程に進歩した。しかし、医学の進歩とともにウィルスもそれに応じる形で姿を変える。
生命は長い時を経て環境に適した姿に進化する。

ある日、Fウィルスと呼ばれるウィルスが発見された。

医療の進歩と、それに応える様に変異するFウィルス。やがてFウィルスは生命の思考までもを操作する様になる。
人、動物もそれに応じて新たなる進化の始めていた。

Fウィルスに感染した生命の子孫は、幾年もの時を経て、徐々にその姿を変える。

クワガタが角を持つ様に。カマキリが鎌を持つ様に。
思考を操作された生命は、生命に恐怖を覚えるようになり、生命から身を守る身体へと進化していく。

進化した生命は、生命を襲い始める。

それを食い止めるのが遅れたのは、法律が原因だった。
思考を操作された生命であれど人間。感染者を殺すことは殺人となる。

Fウィルスは、輸血や針の使い回し、性行為などで感染する。
やがて海外にもFウィルスは感染を拡大した。

生命の進化は2つに分かれた。

Fウィルスに感染していない生命の子孫はそのままの姿で。
Fウィルスに感染した生命の子孫は、思考を操作されたまま魔物の様な姿へ。

アメリカテキサス州で、1つの法案が可決された。

特定の資格を持つ人物のみ、Fウィルス感染者の排除が合法化されたのである。


Virus

Fウィルス
Fウィルス

Fウィルス

2031年、Felix(フェリックス)博士により発見されたウィルス。
抗生物質も効かず、ゆっくりと増殖する。

死に至ることは無いが、感染者は頭痛と吐き気に生涯苦しむこととなる。

感染経路は、輸血や針の使い回し、性行為などで感染する。
空気感染は考えられないが、性行為による感染率は20%〜40%、針の使い回しによる感染は50%〜70%と言われる。

感染されても数年間は自覚が無いため、その際の性行為で感染するケースが多い。

新型Fウィルスとをひとまとめにして、Fウィルスと呼ぶ事もある。

新型Fウィルス(New type of F virus)

2163年、新薬が完成したことで、一時は治療可能となったFウィルス。
しかし、Fウィルスは突然変異し、その新薬に対する抵抗を持つ型となった。

とある研究者によるマウスを使った実験で、新型Fウィルスは生命の思考を操作できるという事が発見された。
感染経路はFウィルスと同じだが感染力が一段と高く、母子感染はほぼ確実という事も論文で発表されている。

研究は進んでいるものの、まだ治療薬は開発されていない。

思考を操作された生命は、生命に恐怖を覚え、生命を襲う。

それから果てしない程の未来、このウィルスが原因となり人類の進化が2つに分かれる事となった。
思考を操作された人類が、生命から身を守るため、魔物の様な姿へと進化を遂げたのである。


Character

ルイザ
ルイザ

ルイザ(Louisa)

幼い頃の彼女が発見されたのは、とあるスラム街。道の片隅に倒れているのを、偶然通りかかった人物によって保護された。
宗教の関係上、彼女を見捨てる訳にはいかなかったのである。
彼女は新型Fウィルスの感染者であったが、その思考は操作されていなかった。
アメリカの医学会は彼女に注目し、新しい治療薬の開発の為、彼女を国を挙げて保護することとなった。

彼女が大人になった頃、彼女自信も新型Fウィルスの研究者として、新薬の研究に没頭していた。

新型Fウィルスの研究に全力で向き合ったが、感染者は増える一方。
やがて感染者の処分に名乗りを上げたのは他でもない彼女だった。

国は彼女の意思を尊重し、彼女を感染者駆除班の一員とした。

ベレッタM9を握った瞬間に、彼女の中で別の血が流れた様な感覚がした。

それが決まった次の日、彼女は背中に不死鳥のタトゥーを入れた。
生への誓い。そして駆除される感染者の苦しみが、空へと消え去るよう願いをこめて。