メモリは、いろんなことを覚えておいてくれるものです。
USBメモリ、フラッシュメモリ、メモリーカード、など、メモリっぽい言葉はいろいろあります。
「メモリ」とだけ言った場合には、スマホやパソコンなどに入っている、一時的にデータを記憶してくれる「メインメモリ」を指すことが多いです。
しかし、スマホの話をしているときに「メモリ」という言葉が出てきたら、スマホのなかの保存場所(ストレージ)のことを指していることもありますし、メインメモリとストレージの両方を指していることもあります。
また、メインメモリのことを、「RAM(ランダムアクセスメモリ)」ともいいます。
メモリとは
まず、「メモリ」は「メインメモリ」のことを指している場合が多いです。
メインメモリは、ハードディスクやSSDから読み込んだものを、一時的に覚えておいてくれるものです。
たとえば、みなさんはノートに書き込んで、いろんなことを覚えているとします。
そのノートを、ちょっと手直ししたいな、と思ったとき、そのノートを読んで、なにをノートに書き込むかを頭のなかでまとめて、それからノートを直しますよね。
この、頭の中に一時的に記憶しておく、という役割をしてくれるのが「メインメモリ」です。
そしてノートは、SSDやハードディスクといった、「ストレージ」に当たります。
しかし「メモリ」は、とても意味が広い言葉で、場合によってはストレージのことも「メモリ」と言ったりします。
もっとくわしいメモリの説明
パソコンでは、データをSSDやハードディスクに保存します。
ときには、USBメモリや、SDカード、CDなどにも保存したりします。
さて、これらは、メモリっぽいものです。
とくにUSBメモリだなんて、もう名前からしてメモリです。
しかし、これらをメモリと呼んでしまうと、「メインメモリ」のことなのかなんなのか、よく分からなくなってしまいます。
そこで、こういったものはあえてメモリといわずに、「ストレージ」ということも多いです。
ストレージは、自分で消さない限り、書き込んだものが消えることはありません。
ノートのようなものだと考えてください。書き込んだものは、消しゴムで消さなければ、消えることはありません。
しかも、最近のストレージはすごくたくさんのものを書き込むことができるので、とっても分厚いノートです。
こういったストレージの多くは、読み書きが遅いです。
分厚いノートから、目的のページを探して、消しゴムで消して、鉛筆で書き直す、というふうなイメージです。
そして、そのノートから目的のページを見つけたら、とりあえずいまだけでいいので、内容を覚えてしまっておきたいですよね。
だって、内容を覚えてしまわなければ、なんどもそのページを読み直さなければいけなくなってしまいますから。
そこで、ストレージから読み込んだものを、一時的に覚えておいてくれるものがあります。
それが「メモリ」です。
ノートに書き込んであるものを直そうとしたとき、考えたことをすべてノートに書き込んでいくとしたら、とっても大変ですよね。
おそらくみなさんは、ノートを読んで、頭の中でなにを書くべきかまとめて、それからノートに書き込むと思います。
それと同じで、どういったものを書き込むかまとめる、つまり頭の整理をする、といったことが、このメモリ上で行なわれます。
つまり、メモリ上で、どういったものを書き込むのかをまとめてから、それをノートに書き込むので、何度もノートを読み直したり、何度も消しゴムで消して鉛筆で書き直したり、といったことをしなくてもよくなります。
そして、その分、動きがスムーズになります。
ではここで、具体的な話をしてみましょう。
たとえば、ハードディスクに保存された、テキストデータを開いたとします。
するとまず、ハードディスクにあるそのテキストデータを、メインメモリが記憶してくれます。つまり、開いたテキストデータは、いまはメインメモリにコピーされている、ということになります。
そして、テキストの編集はメインメモリの上で行なわれます。
編集が終わってそのテキストデータを保存したとき、メインメモリが覚えておいてくれた編集後のデータが、ハードディスクに保存されます。
これが、パソコンでデータを書き換えるときの流れです。
また、メインメモリはパソコンの電源を切ると、すべて忘れてしまいます。
テキストの編集中にパソコンの電源が消えてしまったりすると、編集中のデータが消えてしまうのはこのためです。
つまりメインメモリがデータを覚えていてくれるのは、一時的なものです。
こういった、一時的にデータを覚えておいてくれるメモリを、「RAM(ランダムアクセスメモリ)」といいます。
さて、ここまでが「メインメモリ」についての説明です。
しかし、スマホの話のときに使われる「メモリ」は、この意味ではなかったりします。
上のように、「RAM」と「ROM」のふたつを合わせて「メモリ」、という書き方を見たことがある人も多いと思います。
これまで、「メインメモリ」の意味で「メモリ」という言葉を使ってきたとしたら、この書き方に、ちょっと引っかかるな、と感じるかもしれません。
ただ、RAM(ランダムアクセスメモリ)も、ROM(リードオンリーメモリ)も、たしかにメモリです。
ですので、スマホの話で「メモリ」という言葉が出てきたら、「メインメモリ」のことを言っているのか、「ストレージ」のことを言っているのか、もしかしたら両方なのか、というのを、そのときそのときで判断する必要がある、ということになります。
ROMは、ほんとうは、「読み込みだけのメモリ」という意味です。
しかしある日、書き込みや削除ができるROMというものが発明されてしまいました。
それが「フラッシュROM」というもので、またの名を「フラッシュメモリ」といいます。
フラッシュROMは、USBメモリ、SSD、SDカード、そしてスマホのストレージ、などに使われています。
まとめ
メモリは、いろんなものを覚えておいてくれるものです。
USBメモリ、メモリーカード、といった、メモリっぽい言葉がいっぱいありますが、たんに「メモリ」と言ったときは、スマホやパソコンに入っている、一時的にデータを覚えておいてくれるもの(メインメモリ)を指していることが多いです。
メインメモリを、「RAM(ランダムアクセスメモリ)」ともいいます。
ハードディスクやSSDなどのストレージは、だいたいメモリよりも読み書きが遅いです。
ストレージのデータを一時的にメインメモリに保存しておいて、そこでいろんなことを行なうという方法にすることで、スマホやパソコンが、スムーズに動くようになっています。
また、スマホの話のときに「メモリ」という言葉が出てきたら、メインメモリのことか、ストレージのことか、それとも両方のことなのか、そのときそのときで判断する必要があります。