シンボリックリンクは、別の場所にあるファイルやフォルダを、まるでそこにあるかのように見せかける仕組みのことです。
もとのファイル名やフォルダ名とは、違う名前で作ることもできます。
シンボリックリンクとは
たとえば、遠い未来のお話です。
科学の発展は著しく進み、クローン技術によって、意のままに人を造り出し、不要になったら排除する、明るくない時代がやってきてしまいました。
山田先生たちは、そんな時代にタイムスリップしてしまったのです。
ここは……どこだべ……
分かんない。見たこともない場所だ……
こわいよ、助けて
美しい夜景どすなぁ
そこに、謎の人物が現れました。
ふっふっふ。私は……
あっ、ハッカーだ!
違うもん! いまは闇の天才科学者だもん! ぷんぷん!
な〜んだ
ひどい! ぴえーん!
じゃなくて、君たち、聞くんだよ
私は闇の科学者なの。クローン技術を研究しているんだぴょん!
アルくん、君のクローンを作らせてもらうんだもんね!
えぇ! ぼくのクローン!
テクマクマヤコン、テクマクマヤコン
わわわ! ぼくが2人になっちゃう!
アルー!
こうして、謎のクローン技術によって、アルくんは2人になってしまいました。
君がぼくか〜
あれ、なんでぼくがいるの?
あ、そうか、2人になったんだね!
でも、君の方がぼくよりかっこいいね! よろしく!
そんなことないよ、君の方がかっこいいよ
よろしくね!
なに言うてはるんどすか
しかし、この2人は、喜びも、痛みも、いろんなことをすべて共有してしまうのです。
アルー、大丈夫なの!?
(ペチッ! ペチッ! ペチッ!)
い、痛いよー
イタタタ、なんで頬が痛いんだろう?
アルくん、すまぬだべけど、わたすの蝶ネクタイをなおしてもらえないべか?
うん、分かった
うん、分かった
……あれ、なんでぼく返事したんだろう
でも、なぜか山田先生の蝶ネクタイをなおしてあげないといけない気がする……
そして、闇の科学者は言いました。
うん。クローン技術はうまくいったみたいだし、そろそろこっちのアルくんは消してもいいかな
えぇ、ぼくどうなるの!?
大丈夫だぴょん。本物のアルくんは残っているんだもん!
そ、そんなぁ!いやだよ!
ぼく! ぼくが消されちゃう!
テクマクマヤコン、テクマクマヤコン
あ、両手が透けてる……
どうしよう。ぼく、消えちゃうの?
やめてぇ!
あぁ、あぁ、あぁ……だれか助け……
もうひとりのアルー!
……
……
もう消えちゃったぴょん!
さて、いま消えてしまった、もうひとりのアルくんが、シンボリックリンクです。
よく分からない? ……もっと、具体的な話をしましょう。
シンボリックリンクを作っておくと、別の場所にあるファイルやフォルダを、まるでそこにあるかのように見せることができます。
シンボリックリンクは、このようにアイコンに矢印がついています。
シンボリックリンクと、その本体のファイルやフォルダは、しっかりと繋がっていて、シンボリックリンクを読み込むと、そのデータの本体を読み込んでいることになります。(本体とは違う名前で、シンボリックリンクをつくることもできます)
ですので、もとのデータがどこにあっても、シンボリックリンクを作っておけば、そこからかんたんにデータの本体を読み込むことができるのです。
読み込まれるのは本体の方ですので、本体のデータを変更しても、シンボリックリンクにもしっかりと変更が反映されています。
もちろん、シンボリックリンクがいらなくなったら、消してしまっても、本体にはなにも影響はありません。
アル! いつまで寝てるの?
もうパソコン実習の授業も、帰りの会も終わって、放課後よ!
……あ
え、アル……泣いてるの?
ど、どうしたんだべ、アルくん!
アルはん。大丈夫どすかぁ?
……ごめん、ぼく怖い夢みちゃって
もうひとりのぼくが、消えちゃう夢
え……実は私も、さっき急に体調が悪くなって保健室で寝てたんだけど、もうひとりのアルが消えちゃう夢見た……
わたすもなんだべ
授業の予定をパソコンで整理してたら、急に眠たくなって、同じ夢を見たべ……
ウチも、DTMで作曲してたら、同じように……
そんな……
でもぼく、これからはもっと友達を大切にしようと思うんだ。もうこんな悲しい思いはいやなんだ
うん。わたしもずっと、それを思ってた!
まとめ
シンボリックリンクは、別の場所にあるファイルやフォルダを、そこにあるかのように見せる仕組みです。
シンボリックリンクには、アイコンに矢印のマークがついています。
このシンボリックリンクを読み込めば、もとのフォルダやファイルを読み込むことができます。
読み込まれているのはもとのデータですので、そこに変更を加えれば、シンボリックリンクにも反映されます。
また、本体とは違う名前で、シンボリックリンクを作ることもできます。
ふっふっふ。ハッキングで4人のコンピュータに忍び込み、画面から無意識に刷り込まれた情報で、心を操り、同じ夢を見させる……
我ながらさすがなんだぴょん!