暗号資産(仮想通貨)は、デジタルのお金(のようなもの)です。
私たちが普段使っている日本円は、1000円札だったり、100円玉だったりと、形のあるものです。
しかし、仮想通貨には、形がありません。
そのため、スマホさえあれば、世界中で仮想通貨を送ったり受け取ったりすることができます。
今回は、仮想通貨とはいったいどんなものなのか、分かりやすく紹介していきます。
暗号資産(仮想通貨)とは
では、暗号資産(仮想通貨)とはいったいなんなのでしょうか。
まず、「仮想通貨」と「暗号資産」は、呼び方が違うだけで、同じものと考えていいと思います。
もともとは「仮想通貨」と呼ばれていましたが、2020年の5月1日に、金融庁が「暗号資産」と正式に改めました。
(この記事では、分かりやすさのため「仮想通貨」と呼びます)
仮想通貨は、お金のような価値を持ったデジタルの情報、です。
デジタルの情報なので、形はなく、たんなるデータということになります。
でもそのデータが、お金と交換したりできるんです。
たとえば、仮想通貨でもっとも有名な「ビットコイン」であれば、◯◯BTCを◯◯円で買う、◯◯円で◯◯BTCを売る、というふうな取引をすることができます。
2024年5月13日現在、10000円はだいたい0.001BTCぐらいです。
では、お金を仮想通貨に換える理由はなんなのでしょうか。
例として、自分の国のお金の価値が下がっていくと予想できるとき、その前にべつの資産に換えておく場合があります。このとき、ひとつの方法として、仮想通貨に換えることも考えられます。
ほかにも、自分の国のお金と仮想通貨の価格の動きを利用して、お金を稼ぐ人もいます。
しかし、これができるのは、むずかしい知識をしっかりと身につけた人です。
目指すのであれば、いきなり大きなお金を使ったりせずに、すこしずつ知識を身につけて、慎重に学んでいきましょう。でないと、大きな損をしてしまう可能性があります。
また、ビックカメラなどのお店は、ビットコインで商品を買うことができます。
メルカリでも、ビットコインの機能があります。
まるでお金のように、ものと交換したり、サービスを購入したりできるのが、仮想通貨です。
そして、仮想通貨には形がないので、スマホさえあれば、かんたんに国を超えて通貨を送ることができてしまいます。
しかし、まだまだ仮想通貨を使ってお買い物ができる場所は限られていますし、法律的な規制もあります。
今後、どのようになっていくのかはなんとも言えませんが、それでも世界中から注目されていることは確かです。
ビットコインとは?
ビットコインは一番最初に登場した、もっとも代表的な仮想通貨です。
もともとは、ビットコインの仕組みについて書かれた論文が、「サトシ・ナカモト」という人物によって公開されました。
そして、その論文をもとに「ビットコイン」が作られました。
「サトシ・ナカモト」は、日本人の名前のように思えますが、その正体は分かっていません。個人なのか団体なのかも分かりません。
そうです。ビットコインの仕組みを考えた人は、いまだ謎に包まれているんです。
日本円について
さて、わたしたちが普段使っている日本円は、国が管理しています。
不正が起こらないよう、国はいろんな法律を作ります。
もし不正を行なった場合は、罰を与えられてしまいます。このおかげもあって、わたしたちの大事な資産は守られることが多いです。
でも逆に、たとえもし、こんなのおかしいよー、と思った場合でもその法律に従うしかありません。
また、国はある程度であれば、日本円の価値を操作することができます。
むずかしい話になってしまいますが、為替介入なんかはそのひとつの例です。
つまり、国が作った仕組みによって私たちの資産はおおよそ守られますが、国の判断次第で、わたしたちの生活はよくもつらくもなります。
ここまでが、日本円のお話です。
ビットコインについて
しかし、ビットコインは、誰か特定の人たちが管理しているわけではありません。
ビットコインの仕組みを実現するために開発されたのが、ブロックチェーンという技術です。
ブロックチェーンは、取引などの情報をひとまとめにしたブロックを、いくつもつなげていくような仕組みです。
世界中の人々の、これまでのビットコインの取引すべてが、このブロックチェーンに記録されています。
そして、ブロックチェーンの記録から、誰がどれだけビットコインを持っているかが分かります。
つまりこの記録は、お金と同じ価値がある、ということになります。
ブロックチェーンの記録は、ネットワーク上に分散して記録されています。
なので、たとえ日本が海に沈んだとしても、海外に記録が残っているはずなので、これまでの取引が消えることはありません。
さらにビットコインは、取引データを書き換えるような不正がほぼできない仕組みになっています。
これは、マイニングという作業の仕組みが大きく関係しています。
マイニングをすることで、ブロックチェーンにブロックが作られます。
マイニングでは成功すると報酬がもらえるため、その作業に力を入れている人々がいます。
その人たちのおかげで、ビットコインはいつもでも取引することができます。
しかし、この話はちょっとむずかしいので、いまは、マイニングをしてくれている人たちのおかげでいつでも取引ができ、取引のデータを書き換えることはほぼ不可能な仕組みになっている、とだけ覚えておきましょう。
ちなみに、マイニングは誰でも参加できます。といっても、競争がとても激しいので、そのなかで勝ち抜くにはとんでもない性能のコンピュータが必要になり、報酬を得るのは、個人ではかなりむずかしいです。
また、ビットコインの仕組みを考えた「サトシ・ナカモト」は表に出てきていませんし、おそらくこれからも表に出てくることはしないと考えられます。
つまりビットコインは、力を持った中心の人々がいなくても、その仕組みだけで機能している通貨、といえます。
ビットコインがここまで成長を続けたのは、ビットコインのそういった部分に魅力を感じる人が多いというのも、理由のひとつだと思われます。
ビットコインとアルトコイン
仮想通貨は、大きくふたつに分けることができます。
ビットコインとアルトコインです。
最初に登場したのが、さきほど紹介したビットコインです。
その後、ビットコインのような仮想通貨が、次々に登場しました。
この、ビットコイン以外のさまざまな仮想通貨をまとめて、アルトコインといいます。
アルトコインの代表的な仮想通貨は、イーサリアムというプラットフォーム上に作られた、イーサという通貨です。
しかし、イーサのこともイーサリアムと呼んでしまうのが、一般的になっているようです。
名の知られているアルトコインは、イーサリアムのほかに、ソラナ、アバランチ、トンコイン、レンダー、などがあります。
もちろん、まだまだ数えきれないほどの仮想通貨がありますよ。
暗号資産(仮想通貨)は怪しいってホント?
仮想通貨は怪しい、という言葉を聞くことがあるかもしれません。
結論を言いますと、怪しくない仮想通貨も、怪しい仮想通貨も、あります。
たとえばビットコインは、ビックカメラの支払いに使うことができますし、メルカリにもビットコインの機能があります。
また、エルサルバドルという国では、ビットコインを法定通貨としました。
さらに、2024年1月10日、ビットコインETFが米国証券取引委員会(SEC)に承認されました。
米国証券取引委員会(SEC)は、投資をする人を守るため、証券がちゃんと取引されているか見張っている、アメリカの組織です。
そのSECがビットコインETFを承認したのですから、ビットコインはちゃんとした投資商品として認められた、ということだと私は思っています。
また、名の知られていない仮想通貨は、怪しいものである可能性もあります。
なかには悪意を持って作られた仮想通貨も存在します。
儲かるという話につい心が揺れてしまい、よく分からない仮想通貨に投資してお金をなくしてしまったり、手数料が必要と騙されてお金をとられてしまったりなど、確かに危険は多くあります。
危険があるのなら、手を出さないほうがいいのかもしれません。
でもこの記事を読んでくださっているみなさんは、仮想通貨に興味を持っていて、ぜひはじめてみたいと考えているのだと思います。
そこで、まずは仮想通貨において、どういったことが危険なのかを知る、ということが大切だと思います。
そして、それに近づかないようにすれば、たとえ万が一のことがあっても、被害を最小限におさえられます。
つまり、仮想通貨が怪しいのではなく、仮想通貨の中に怪しいものがあったり、仮想通貨を利用して騙そうとする人もいる、ということです。
まとめ
暗号資産(仮想通貨)は、形のないデジタルのお金(のようなもの)です。
形がないので、スマホがあればかんたんに、国を超えて仮想通貨を送ることができます。
仮想通貨は、大きく分けるとビットコインとアルトコインがあります。
ビットコインは、中心で管理する人がおらず、仕組みを考えた人も謎に包まれています。
しかしこれは、一部の人たちに依存していない、という考えかたもでき、自分の資産を守るためにビットコインに投資する人々もいます。
もちろん仮想通貨にはさまざまな危険性もありますが、ちゃんとその危険性を知っておくことで、被害を防ぐことができます。